広告の機能とその効果


 広告の機能と効果については,マクロ・ミクロ多様な視点により様々なとらえ方ができ,既に多くの研究がなされている。一般的には,情報の送り手である広告主にとって,伝達機能による製品などに関する情報の提供,説得機能によるニーズの顕在化や行動意図の形成,意味づけ機能によるブランド構築などの効果があるとされる[9]。


 インターネット広告の分析においては,広告露出によって広告接触者の認知・理解・好意を獲得する「インプレッション効果」と,広告接触によって何らかの具体的な反応が得られる「レスポンス効果」の大きく分けて2つの効果があるとする理解が,今日では一般的である(2)。なぜ,そのように認識されるに至ったかについては,以下に論を進めるインターネット広告の歴史的変遷が大きく関わっている。

(2)インターネット広告の実務書では,本稿において「レスポンス効果」とした機能のうち,クリックによってWebサイトへと誘引する効果を「レスポンス効果」,その後購入などの行動を促進する効果を「アクション効果」とするもの[27],Webサイトへ誘導する効果を「トラフィック効果」,購入などの反応を得ることを「レスポンス効果」とするもの[28]などがある。

  • 参考文献

[9]岸志津江,田中洋,嶋村和恵:『現代広告論 新版』有斐閣,pp18-19, (2008).
[27]株式会社日本総合研究所,紅瀬雄太,足代訓史:『ビジネスの新常識 ネット広告のすべて』ディー・アート社,pp.110-112,(2006).
[28]デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社編:『ネット広告ハンドブック』日本能率協会マネジメントセンター,pp.186-195, (2009).



目次および出典